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Album 2004 奄美諸島への旅(7〜8月) ・名瀬市にて ・請島にて ・与路島にて ・加計呂麻島にて ・国直にて ・再び名瀬市にて ・旅を終えて |
奄美諸島への旅(2004年7〜8月) 請島にて(1) |
■名瀬から古仁屋へ 7月28日(水)、次の目的地、請島と与路島は、奄美大島(加計呂麻島)と徳之島の間にある小さな島で、船は一日1往復のみ。観光ガイドブックにも掲載されているけれど、「こんな島もありますよ」程度の小さな囲み記事で、宿があるのかどうかも書かれていないのである。そんな島に興味をもった私はインターネットでどんな島なのかを調べてみた。残念ながら得られた情報は極めて少ないものだったが、少なくとも両方の島とも民宿が5軒ほどあるようだった。 この島に行くためには、まず奄美大島の中心地である名瀬市からバスで最南端の町・古仁屋に向かわなくてはならない。たつや旅館のご主人に出発の挨拶をして、名瀬を10:30発のバスに乗った。バスは名瀬市内を抜けて、住用村を経由し、瀬戸内町に入る。途中、車窓から見える景色は、広葉樹の広がる山道である。もしこれが針葉樹だったら、山梨や長野あたりを走っていると錯覚するかもしれない。それくらい深い山道という感じなのだ。山道は頂上を越え、下り道に入り、いよいよ山間から海が見えてくる。加計呂麻島と奄美大島に囲まれた大島海峡だ。バスは11:53に古仁屋の桟橋前に到着した。 |
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■「せとなみ」 まずは船の出発時間を確認してから、昼食を食べるところを探す。港から少し歩いたところにある「味園」という店に入ったら、2階の座敷に案内された。席に座って奄美の代表的郷土料理である鶏飯(1,050円)を注文。奄美に来て鶏飯を食べるのはこれで2回目。鶏がらスープで食べるお茶漬けみたいなものだが、これが美味い。昼食時で客が10人くらいになった頃を見計らって、ステージではシマ唄を歌ってくれた。このシマ唄のおじさん、まだ三線を始めて数年らしいが、それにしては巧い。そして、このお店で荷物を預かってもらって1時間ほど町の中を散策し、午後3時の請島経由与路島行きの船「せとなみ」に乗った。 船は八重山の離島間をつなぐような高速船ではなく、もう少し大型の貨客船(?)といった感じ。客室は平土間で、客は思い思いの場所に枕と毛布を並べて寝ころがっている。私が乗ったときには、もう窓側の場所はいっぱいで、勝手がわからないので居心地悪い真ん中あたりに座ってしまった。乗客の顔ぶれを見ると、これは明らかに生活路線だ。観光客らしき姿は皆無で、せいぜい帰省客の子ども連れが何組かいる程度である。 船は加計呂麻と奄美の間を航行している10分間は極めて穏やか。外洋に出ると若干の揺れが出てくるが、心配された台風10号の影響も少なく穏やかな航海である。古仁屋を出航して、約45分後、最初の寄港地である請島の請阿室(うけあむろ)に到着。何人かの乗客と積んできた肥料をクレーンで下ろし、次の港である池地(いけち)に向かう。船から見える請島は、八重山の珊瑚礁の島と違って、山が多く険しい感じに見える。 |
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■民宿「みなみ」 池地に到着したのは午後4時頃。ここから歩いて民宿みなみに向かう。電話で聞いたとおり、桟橋からまっすぐに山のほうへ向かい。公民館にぶつかったら左手に曲がった突き当たりが目的の民宿だ。思いのほか新しい建物である。案内された部屋は6畳程度の洋間なのだが、それは良いとしても部屋の中には何もない。テーブルも座布団も何もなく、ただ壁に真新しいエアコンが掛かっているだけなのだ。 |
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■デイゴ並木 こちらの日没は7時半くらいなので、まだ日没までに2時間以上の時間がある。荷物を置いたら、まずはカメラを持って桟橋に戻る。宿ではauの携帯は圏外だったが、桟橋では不安定ながらアンテナが数本立っている。隣の加計呂麻島の電波を拾っているようだ。そして集落の中を歩いてみると、デイゴの木が多いのに気づく。特に港前のお墓のまわりと、学校の前のデイゴ並木は立派。珊瑚を積み上げた石垣も多いけど、その塀のところどころに2mくらいの長さの棒が立てかけてある。これが有名なハブを叩くための棒なのか、と思うとホントにハブが出そうな気がしてくる。歩いていてもすれ違う人は少なく、閑散とした離島ムードが漂う。そして自動販売機2台と郵便局、売店がひとつあるのをみつけて宿に戻ってきた。とにかく小さな集落で、とても静かである。はっきり言って何もないが、何もないところに行きたいと言う人にはうってつけの場所ではないかと思う。 |
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■魚は海から 夕食は、地元で取れた魚を中心にしたメニュー。この島では、基本的に魚は自給自足。食べる分だけの魚をその日に捕ってくるみたいな感じ。野菜も庭の菜園で採れたものだったりする。素朴な料理だけど、これはとても贅沢なことかもしれない。 |
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