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Cameras Olympus E-1 →Zuiko Digital 11-22mm →Zuiko Digital 14-54mm →Zuiko Digital 50-200mm Nikon E-5000 Canon IXY Digital 400 |
Zuiko DIGITAL 14-54mm F2.8-3.5 製品のページへ これぞスタンダード! はじめて買ったデジ一眼はCanon EOS10D。現在は手元にないが、10Dの名誉のために言っておくと、これも良いデジカメである。解像度は高いし、高感度時のノイズの少なさは天下一品だ。しかし、・・・大きな欠点がある。それは「まともな標準ズームがない」ということだ。あえて言えばEF17-40mmF4Lなんだろうけど、10万円近いレンズだ。一本目のレンズとしては高すぎるというのが、ふつーの感覚である。 一眼レフの醍醐味と言えばそのシステム性であり、そのシステムの中心となるのがもちろんレンズだ。Canonは業界でも随一のレンズ・ラインナップを誇るメーカーだけど、デジ一眼の撮像素子サイズが焦点距離換算で1.6倍、1.3倍、フルサイズと3通りあるために、APSサイズ専用のレンズに力を入れる事ができないのである。10Dの後継機にはEF-Sレンズが使えるようになるかも知れないが、10Dにはまともな標準レンズがラインナップされていないという状況は、現在も変わっていない。 前置きが長くなったが、OLYMPUSのE-SYSTEMはデジタル専用の設計である。このE-SYSTEMの標準レンズに据えられたのが、この14-54mmだ。35mm換算で28-108mm、これぞスタンダードと言えるレンジだ。明るさは、F値固定ではないもののF2.8-3.5と明るい。E-1が発売された2003年秋の時点で、このような標準ズームが用意された20万円前後のデジ一眼というと、これしか選択肢がなかったのである。 だけどスタンダード? 28-108mm相当というのが、一般的に最も使いやすい標準ズームのレンジであろうことは、私も同意する。ふつーのコンパクトデジカメの望遠側が105mm相当まである以上、それよりも短くするのもセールス上どうかと思うだろうし、一方、広角側は一眼レフユーザーには35mm相当では物足りない。たぶん、このレンズの焦点距離を設定する上ではこんな背景があったに違いない・・・・と勝手に想像している。 しかしながら私は、あえてこの焦点距離の設定に苦言を呈したいのだ。広角派の私が欲しかったレンジは、12-36mmの3倍ズーム、つまり35mm換算で24-72mmF2.8-3.5の広角寄りの標準ズームだ。これに組み合わせる望遠ズームは35-105mmF2.8あたりが適当だ。35mm換算で70-210mmF2.8の大口径望遠ズームでも、E-SYSTEMだったら超コンパクトなサイズで作る事ができるはずだ。私が旅に出るんだったら、この2本のレンズをカメラバッグにつめて出かけたい。 それなのに、E-SYSTEMの標準ズームは14-54mm。これでは広角側も望遠側ももの足りないので、レンズを3本も持って行く事になる。荷物が増えるだけでなく、レンズ交換の手間も余計である。もし他のメーカーで、防塵棒滴のコンパクトなボディにダストリダクションも付いていて、24-70mm相当の標準ズームがラインナップされたデジ一眼があったら、たぶんそっちに乗り換えるだろうと思う。 使い勝手 EOS10Dの時は、標準にSIGMAの15-30mmF3.5-4.5を使っていた。この巨大キノコのようなレンズと比較したら遙かにコンパクトで使い勝手が良い。28-108mm相当のレンジだったら、ほとんどの撮影はこなせるハズだ。超音波モーターではないものの、フォーカスは速くて静か。CanonのLレンズと比較するとフォーカスは遅いけど、SIGMAの15-30mmと比べるとかなり速い。たぶんCanonのLレンズ以外のUSMレンズだったら、互角以上のスピードだろうと思う。 あとZuiko Digitalのレンズは、現時点ではすべてパワーフォーカスが採用されている。つまり、マニュアルでピントを合わせるような場合でも、直接、手動でレンズを繰り出すのではなく、フォーカスリングの動きを感知して、その情報に基づき、モーターでレンズを繰り出している。このような方式は「フォーカスの反応が遅くなるのでは?」と思いがちだが、決してそのような事はなく、反応はとてもいい。フォーカスリングには適度な重さがあって、細かいピント合わせもしやすい。最近のレンズはフォーカスを速くするために、フォーカスリングの回転角を狭くしているレンズが多いが、そのようなレンズとは比較にならないほど操作性は優れている。 余談をひとつ。これは私の推測にすぎないが、パワーフォーカスを採用したのは、レンズ側の防塵防滴性能を高めるという理由もあったのだろうと思う。実際、このレンズを雨の中の撮影で使ってみた事があるがノープロブレム。撮影後、室内には行ったらフィルターの内側は曇ってしまったが、レンズの内側は全く問題はなかった。私の撮影条件はそんなに厳しい環境というわけではなかったが、レンズの密閉度はかなり高そうである。あと、悪天候の中でも撮影をする可能性のある人は、撥水コートの施してあるフィルターを付ける事をオススメする。Kenkoやマルミのフィルターは値段が高いので、私はHAKUBAのフィルターを使っている。たしかヨドバシでφ67mmが税込3,500円程度だ。 さらに、このレンズは、ズームをするとフォーカスも移動するタイプだ。したがってマニュアルフォーカス時に、望遠端でピントを合わせてズーミングということは出来ないので要注意。 描写 このレンズの高性能さは随所で語られているので、あえてここで語るような野暮な事はしない、・・・っつーか、めんどい(^_^;)。しかし一言だけ書くと、どの焦点距離でも開放から安心して使える高性能なズームである。被写体によっては広角側で樽型の湾曲収差が目立つが、これはOLYMPUS Studioの自動歪み機能を使えば一発で補正ができる。建築物などを写す事の多い人は、この機能だけでもOLYMPUS Studioを買う価値があるかも知れないが、・・・私はまだその機能の一部しか使いこなせていないかも(^_^;)。 あと特筆すべきは、逆光時のレンズ性能の高さだ。広角側で太陽が画面に映り込むような場合でもフレアーはほとんど出ない。たぶん、コーティングには金がかかっているんだろう。これだけの性能のレンズが6万円弱(5万円強?)で買えるのであれば、納得のお買い物といえるのではないだろうか。 なおテスト撮影の画像は撮影済みだが、アップするのがめんどくさいので、後日という事で。(2004/04/11) |